- スムージーって便秘に効くらしいけど、どうして?
- 便秘を解消したい。スムージーのおすすめレシピが教えて!
今回はこのような疑問に答えます。
厚生労働省によると便秘に悩む人は、全国で約660万人いると発表され、深刻な問題となっています。
僕も便秘で悩んだ時期がありましたが、スムージーとウォーキングで解消しました。
著者のスムージーの知識と経験
- スムージースペシャリスト資格を取得。
- 大手食品メーカーで11年間、食品の研究開発を経験。また1年半、食品のマーケティング業務を経験。
- スムージー飲用歴1年。
そこで今回は
- 便秘の主な原因
- スムージーで便秘を解消できる理由
- 便秘が解消する、おすすめスムージーレシピ5選
- スムージー以外で、便秘解消に有効な食材
- 食事以外での便秘解消方法
便秘の原因は朝食、ストレス、女性ホルモン、運動不足
朝食を抜いた食生活
朝食を抜いた食生活は便秘の大敵です。
- 便の材料の不足(特に食物繊維)
- 大腸のぜん動運動を起こせない
とダブルで体に悪い影響を与えるからです。
ぜん動運動とは小腸、大腸が肛門に便を送り出す収縮運動のことです。
朝、空腹の胃腸に食べ物が入ることによって、引き起こされるからです。
大腸のぜん動運動を活発化させて、便を排泄するためにも朝食は必要なのです。
ストレスによる自立神経の影響
便秘を招く最大の原因は、ストレスとされています。
脳には、自立神経があります。
出典:NHK健康ch https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_216.html
自立神経には、体を活動の方向へ導く交換神経と、安静の方向へ導く副交換神経があります。
しかしストレスを感じると、交換神経が優位になります。
その結果、腸の働きは鈍くなり、排便は抑制されてしまうのです。便秘を解消するには
- ストレスを解消し、副交感神経を優位にして、
- 腸のぜん動運動を活発にする
必要があるのです。
女性ホルモンの影響
カゴメ株式会社が2007年に行った20~59歳の女性に対する「現代女性の腸内環境に関するアンケート調査」では、体の悩みの上位に「便秘」が挙がっています。
女性にとって、便秘は深刻な問題なのです。
カゴメ株式会社(社長 喜岡浩二)は20〜59歳の全国の女性を対象に、「現代女性の腸内環境に関するアンケート調査」を実施し、412名から回答を得ました。
その結果、半数弱の女性が慢性的便秘を経験していることがわかりました。「1日に一回の自然なお通じがない女性が(39.4%)」にのぼり、10人に一人(9.2%)は、「4日以上のお通じがない」深刻な状況を抱えていました。さらに、便秘になったと感じるのは「3日以上続けてなかったら(36.9%) 」がもっとも多く、毎日のお通じがないことに慣れっこになってしまっている状況がうかがえます。引用:カゴメ株式会社
女性は、月経前に分泌される黄体ホルモンの分泌により、便秘になりやすい体質です。
月経前は特に食事などに注意して、便の排泄力を低下させない心掛けが必要になります。
運動不足
腸のぜん動運動には腹筋が大きくかかわっています。
腹筋が弱くなるとぜん動運動が起こりにくくなり、便を押し出すことが難しくなります。
運動不足は便秘には、大敵なのです。
スムージーを摂取することで便秘が解消できる理由
ここで定義するスムージーとは「生の野菜と果物のみ」で作るスムージーです。
「生の野菜と果物のみ」で作るスムージーには
- 食物繊維
- オリゴ糖
- ビタミン
- 食物酵素
が豊富に含まれています。
スムージーはこれらの栄養素を豊富に含むことにより、便秘解消に有効なのです。
詳しく解説します。
善玉菌が増殖し、腸が綺麗になることで、便の排泄が促進される
生野菜や果物中の「食物繊維、オリゴ糖、ビタミン(特にビタミンC)」は、腸内の善玉菌のエサとなります。
このエサをもとに善玉菌は増殖していきます。
短鎖脂肪酸は腸を酸性にする効果があります。
酸性になった腸内では、悪玉菌が住みにくいため、悪玉菌は減少します。
その結果、腸が綺麗になり、便が排泄されやすくなります。
不溶性食物繊維が、ぜん動運動を活性化させる
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類できます。それぞれの特徴を表で示します。
腸のぜん動運動を活性化させることで、排便を促進するのです。
酵素が体の代謝を上げて、排便を促進する
便の排泄は代謝
代謝とは以下の2つの機能です。
- 栄養素を適正なサイズに分解・消化・吸収すること
- 吸収した物の中で体に必要なものは利用し、不要なものは排泄すること
便の排泄は代謝であり、便秘解消には代謝を上げることが必要になります。
代謝の具体例を3つだけ、図で示します。
代謝を上げるには、食物酵素を摂取し、消化酵素を節約する
人間の体内には消化酵素と代謝酵素があります。
そして1日に利用できる消化酵素と代謝酵素は一定量と決まっています。
そのため、代謝を上げるには
- 食事から酵素を摂取し、消化酵素を節約する
- 消化酵素を節約して、代謝酵素を体内で多く利用する
この2つのプロセスが必要になります。
- スムージーの原料である生の野菜と果物には、食物酵素と呼ばれる酵素が豊富に含まれています。
- また、スムージーにする際に撹拌されるため、食物酵素は活性化した状態になります。
そのため、スムージーを食事として摂取しても、体内の消化酵素を節約することができます。
スムージーを食事として取り入れることで代謝が上がり、便の排泄が促進されるのです。
酵素と代謝の関係についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ストレス解消ホルモンが分泌されて、便の排泄が促進される
前述のとおり、スムージーを摂取することで腸が綺麗になります。綺麗になると、腸は本来の機能であるホルモン分泌も活発になります。
腸はセロトニンと呼ばれるストレスを低減させるホルモンを分泌します。
セロトニンにより腸のぜん動運動に活発になり、便の排泄が促進されるのです。
生の葉野菜と果物を大量に摂取できる
これまで、「スムージー」と「スムージーの原料である生野菜と果物」の便秘解消効果を説明してきました。
摂取しやすくなるという意味でもスムージーは、便秘解消に優れているのです。
生野菜と果物をスムージーにするメリットは、こちらに記事で詳しく解説しています。
便秘を解消するスムージーのおすすめレシピ5選
スムージーで便秘解消するには
- 善玉菌のエサとなるものを摂取して、善玉菌を増やす
- 食物繊維を多く含むものを摂取する
この2点が重要です。
これらを重視したスムージーを紹介します。
最も食物繊維が多い葉野菜の一つ、モロヘイヤを使ったスムージー
《材料(1人前350ml)》
〇モロヘイヤ50g
〇小松菜80g
〇バナナ200g
モロヘイヤは、100g中に食物繊維が5.9gも含まれており、葉野菜中で最も食物繊維が多い野菜の一つです。
スムージーにするとややねっとりしますが、臭みも少なくグリーンスムージーには非常に適した葉野菜です。
不溶性食物繊維とクロロフィルが豊富。大葉のスムージー
《材料(1人前300ml)》
〇大葉5枚
〇マンゴー100g
〇パイナップル180g
大葉は不溶性食物繊維が豊富ですが、クロロフィルと呼ばれる色素も豊富に含まれています。
クロロフィルが食物繊維の1/5000と大変小さく、腸の柔毛の間に入り込み、通常では取り出しにくい老廃物や有害金属を絡めとり、便として排泄してくれるのです。
大葉は香りが強いハーブですが、マンゴーとパイナップルと合わせることで飲みやすい風味になります。
冷凍ブルーベリーで飲みやすく。グリーンスムージーの王様小松菜のスムージー
《材料(1人前350ml)》
〇小松菜100g
〇冷凍ブルーベリー60g
〇バナナ180g
グリーンスムージーの葉野菜で最も人気が高いのが小松菜です。価格が安く、くせも少なく栄養価が高いからです。
グリーンスムージーは、味の濃いブルーベリーとバナナを入れるだけでかなり飲みやすくなります。
冷凍ブルーベリーは常備しておきましょう。
おすすめの冷凍ブルーベリーを紹介します。
コスパ、国産による安全面から、こちらの商品がおすすめです。
便秘解消に効果的な小松菜のスムージーは下記の記事で豊富に紹介しています。
水溶性食物繊維とオリゴ糖が豊富な、赤パプリカとトマトのスムージー
《材料(1人前350ml)》
〇トマト100g
〇赤パプリカ160g
〇バナナ100g
トマト、赤パプリカ、バナナには水溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維だけではなく、水溶性食物繊維も同時に取ると、便の排泄効果は格段に上がります。
またトマト、赤パプリカ、バナナには、善玉菌のエサとなるオリゴ糖、ビタミンCが含まれており、善玉菌の働きを活性化してくれます。
パプリカを使ったスムージーレシピは下記の記事で詳しく解説しています。
皮には豊富な食物繊維!丸ごと使ったキウイのスムージー
《材料(1人前350ml)》
〇キウイ150g
〇トマト160g
〇きゅうり20g
キウイは皮ごとスムージーにします。キウイの皮には実の2倍の食物繊維が含まれています。
皮は意外にも甘く、スムージーとの相性は非常に抜群です。
スムージーの作り方のポイント
グリーンスムージーを週4~5回、カラースムージーを週2~3回取り入れる
グリーンスムージーとは
先ほど紹介したモロヘイヤのスムージー、大葉のスムージー、小松菜のスムージーが、グリーンスムージーになります。
生の葉野菜1~2種類に、生の果物1~2種類を加えて作ります。
グリーンスムージーの特徴は、不溶性食物繊維が多く含まれていることです。
カラースムージーとは
甘くない果物とは以下の4つです。
- トマト
- パプリカ
- ピーマン
- アボガド
先ほど紹介した赤パプリカとトマトのスムージー、キウイのスムージーが、カラースムージーになります。
カラースムージーの特徴は、水溶性食物繊維が多く含まれていることです。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取できる
1週間のうちに、グリーンスムージーとカラースムージーの両方を取り入れることで、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取できます。
グリーンスムージーのみ摂取していると、水溶性食物繊維の摂取量が不足します。
グリーンスムージーとカラースムージー、両方を取り入れることがポイントです。
グリーンスムージーの味が苦い時は、はちみつを加える
グリーンスムージーを作る際、葉野菜を入れすぎて苦くなることがあります。
この場合ははちみつを加えて味を調整しましょう。
味をととのえつつ、腸内の善玉菌を増やすことができるのです。
グリーンスムージーを作る際、苦くなってしまったら、はちみつを加えましょう。
スムージーの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
スムージー以外で便秘解消に有効な食材
オリーブオイル
オリーブオイルは自然の下剤と言われ、腸の働きを活性化させます。
火を通すと酸化するため、パンにつけたりドレッシングとして生で摂取するのがおすすめです。
発酵食品
納豆、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品には善玉菌が多く含まれています。
そのため少ない摂取量でも、腸内で多くの植物性乳酸菌が働いてくれます。
植物性乳酸菌が含まれている食材の代表例を以下に挙げます。
- 味噌
- 納豆
- キムチ
- 醤油
- キムチ
- 日本酒
植物性乳酸菌は、植物を発酵させた食材に多く含まれています。
グルタミン
グルタミンは大腸を動かすエネルギー源となります。
グルタミンは、発芽大麦で摂取することがおすすめ
グルタミンを毎日手軽に摂取するおすすめの方法があります。
発芽大麦を入れて炊いたご飯は甘く、独特の風味があり美味しいです。
そのため、便秘解消にはおすすめの食材です。
発芽大麦の中でも、LOHAStyleのスーパー大麦 バーリーマックス® (800g) が品質が良く、価格も安いためおすすめです。
食事以外で、便秘解消に有効な手段
ウォーキング
便の排泄力をアップする運動は、ハードである必要はありません。
年齢や性別に関係なく、どなたにも続けられる運動がウォーキングです。
- 運動の刺激により腸の動きがよくなること
- 新陳代謝(体内の新旧の入れ替わり)を促すこと
- 適度なリラックス効果により、副交感神経が優位になり、腸の働きが高まる
この3つの作用により便秘解消に効果を発揮します。
仕事帰りは、なるべく歩いて家に帰るなど、歩く工夫をしてみましょう。
ぬるめのお湯に浸かって入浴する
便の排泄力を高めるには体を冷やさないことは重要な要素です。
湯船に浸かって入浴すると、体温が上昇し腸のぜん動運動が活発になります。
熱いお湯に短い時間浸かるよりも、ぬるめのお湯に長時間浸かる方が効果的です。
便秘で悩んでる方は、シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かる習慣を身につけましょう。
まとめ
便秘には主に4つの原因があります。
- 朝食を抜いた食生活
- ストレスによる自立神経の影響
- 女性ホルモンの影響
- 運動不足
スムージーは以下の4つの理由で、便秘解消には最適な食材です。
- 善玉菌が増殖し、腸が綺麗になることで便の排泄が促進される
- 不溶性食物繊維が、ぜん動運動を活性化させる
- 食物酵素が体の代謝を上げて、排便を促進する
- ストレス解消ホルモンが分泌されて、排便が促進される
- モロヘイヤを使ったスムージー
- 大葉のスムージー
- 小松菜のスムージー
- 赤パプリカとトマトのスムージー
- キウイのスムージー
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